1151
昨日の記事<
がんがら火 2011>でもチラッと書いていたように、24日の日中は<
ホボヒラヤの家>の現場へ・・・外壁の焼杉板張が進められています。
南側外観 以下6点ともGR DIGITAL III
<
目神山の家>では表面の炭化層をブラシで落とした焼杉板を用いましたが、今回は焼いたまんまの炭付き焼杉。
アップで撮るとこんな感じ ↓・・・素晴らしいテクスチャでしょ。(^^)v
今は真っ黒けですが、経年変化でだんだんと銀鼠色に変化してゆく、はず
ただ、大工職はたいへん。
ちょっと触っただけでも炭が付くので、作業中は手や顔が真っ黒け・・・暑い上のこの作業、ご苦労をお掛けしています。
ちなみに焼杉板は中本造林の子会社・中本造林徳島が作っている既製品・・・この現場から徳島は目と鼻の先です
大工さんがこうなるのだから、当然、竣工後もしばらくは炭が付きます。
なので、玄関周りや1枚目の写真に写っている物干場(まだ板が張られていない部分)など人が触れそうな所には、焼杉ではなく
キシラデコール・ジェットブラック色を塗った杉板を張るように計画しています。

で、左は板張りに使っているスクリュー釘。
外壁を板張りにする場合、どんな釘を使うか、いつも悩みどころなのですが、今回は工務店側から「こんなんどうです」と、ステンレススクリューに黒色焼付した左の釘を進められました。
釘頭が小さいと板が反った時に頭が沈んで、やがて抜けてしまう可能性がありますが、これだけ広がっていればまず大丈夫だろうという事で即決採用!
設計ってこんな小さな物品の事まで考えないといけない・・・ある意味、面白いでしょ。(^^)
さて、話し変って下写真に写っている四角い物はいったい何のサンプルでしょう?・・・岩おこしではありません。(^^)
工務店が用意してくれたサンプルはもっとあったのですが、ここではとりあえず良いなと思った5点をピックアップ
正解は人造石研ぎ出し、通称・人研ぎと呼ばれる仕上げのサンプル・・・私と同年代前後の方は、子供の頃、学校の手洗場や足洗場でよく目にした仕上げ、と言えばピン!とくるんじゃないでしょうか。
寒水石(結晶性炭酸カルシウム=平たく言うと大理石と似たような小粒の石)や色の綺麗な鉱石を白セメントや左官用顔料と混ぜて塗り、乾燥したところでサンダーや砥石で研ぎだす左官仕上げの一つです。
1ドル360円だった昔は、輸入ものの建築用石材なんてとんでもない値段だったでしょうし、国産といっても資源は限られていたので、その代用としてよく使われた、という事での「人造石」です。
でも、いまや1ドル75円の時代。中国産大理石なんてヘタするとタイルより安かったりしますから、手間の掛かる(=コストが高い)こんな仕上げはまず使われなくなってしまって、技巧も継承されず、廃れて行く一方。「そんな仕上げ、知らんわぁ」という左官職も増えてきています。
でも、施工工務店・船越工務店さんは元々左官が本業。社長さんは粒ぞろいの左官職が居並ぶ淡路島でも頭一つ抜けたくらいの技をもつ一流の職人さん。
こんな機会は滅多にない!と図面や見積には無かったのですが、浴室(在来工法)のちょっとした部分(でも目立つ箇所)に人研仕上げを使いませんか、と提案というかお願いをしたら、どんな色の感じにするとか何も打ち合わせをしていないのに、倉庫の片隅に眠っていたという材料(残っていた事自体もスゴイ)でホイホイと作ってくれたのが、これらのサンプル、というわけです。(^^)
もし今、この中から選べと言われたら奥から二つ目、白ベースに濃緑色の
蛇紋石を練り込んだ仕上げかな・・・でも、まだいろいろと社長さんの話を聞いた上で、再度のサンプル作りや住まい手との打合せへと進めて行きたいと思っています。
ちなみにこの社長さん(失礼ながら、人柄は社長というよりも生粋の職人さんという感じの方)、基礎工事の時だったか、私がボソっと「三和土(たたき)をどこかで使えたらいいんですけどね」なんて話してたら、建方の際、下写真のような見本をこれまたホイホイと作って持ってきてくれていました。このホイホイさも、またスゴイ!と思うのです。
地面の土と同化しそうな、とても良い感じの仕上げ
だた、これはほんまもんの三和土ではなく、三和土調仕上げといった船越さんオリジナルの床仕上げ・・・とは言え、表面硬度はほんまもんと同じく、土とコンクリートの中間といったくらいに仕上がっていました
残念ながらこの住まいでは使う場所がなく、サンプルのみに終わりそうですが、いつか機会があれば使ってみたいと思う味わいでした。
そんなこんなで、焼杉も含め、こういった日本に昔から伝わる素材や仕上げは、様々な理由から私も含め使う機会がほんと少なくなってきていますが、こんな風に住まい手の快諾も得られ、腕の良い職人さんたちに出会えるチャンスがあるなら、積極的に使って行きたい、そう思っています。