先ほど、ウェブサイトトップページの<旬を綴る>を第14集に更新しましたが、その中で風倒木について触れています。
去年のちょうど今頃、四国から淡路島を通り近畿地方を直撃した台風23号は、私の故郷、洲本市をはじめ各地で河川の氾濫や土砂崩れによる甚大な被害をもたらしましたが、兵庫県から京都府にかけての山林にも未曾有の被害をもたらしました。
強風により、杉や桧が根こそぎ倒れたり、幹の途中で折れたりする風倒木被害です。

上の写真は兵庫県北部に位置する朝来町(現 朝来市)の山林の様子ですが、左のようなよく手入れされた美しい山林も台風が通った後は右のような無残な姿へと変わり果ててしまいました。
もう、どこから手をつけて良いかわからない状態です。
それから1年。
下の写真は先日の<丹波森林バスツアー>の際に撮影したものですが、兵庫県下では今でもかなりの山林でこのように風倒木が処理されぬまま放置されています。

このような山林に再び台風が襲えば、放置された風倒木は地山と共に土石流となって川下の人家や農地を襲います。そんなことはわかっているけど、でも、手が付けられないのが現状なのです。
風倒木の多くは内部にひび割れが発生しているため、もはや柱や梁などの構造材としては使えませんし、板材などの内装材や木製品として使えるものも多くはありません。
ほとんどは、製紙用のチップか薪程度にしかならず、コストや生活を考えると山から下ろせば下ろすほど、赤字が膨らむわけで、どうしようもない状態、なのです。
公的機関から見舞金や処理費用に対する補助金も出ているとはいえ、風倒木を除去し、再び植林して山に手を入れてゆくためのコスト全体から見れば微々たるものですし、被害範囲の広さに対する人手不足もそれに輪を掛けています。
なので、いまだ風倒木が放置されたままの山林が多く残っているのです。
ただでさえ、戦後、林野庁が推し進めた今から見れば無謀とも思える植林拡大事業と年々縮小してゆく国産材の需要から、人手を入れようにも入れられない杉・桧の森が増えている中、さらに風倒木の処理という重荷を背負った森では、営林に掛けられる人手は益々手薄なものとなり、杉や桧は枝打ちや間伐もされないまま放置され、放置された山林では梢で葉が生い茂り地山に日光が届かないため下草が生えず、下草が生えなければ根回りの土も締まらず、豪雨の度に土砂崩れや風倒木が発生する災害に弱い山林がさらに広がって行くのです。
そして再び豪雨に見舞われれば、その被害処理にさらにお金と人手が割かれて行くのです。
地球温暖化が進む中、台風の強度は上昇を続け、豪雨の頻度は年々増える事が予測されているのに・・・。
私たちにできること。
それはやはり、できる限り日本の山にお金を返すこと。それしかないように思います。
住宅に限らずあらゆる場面で、できる限り国産材、特に杉・桧を使って行くこと。一人一人が返すお金は山側にとって微々たる額でも、チリも積もれば山となる、です。
国産材と外国産材の製品があるなら、少し高くても国産材の製品を選んで下さい。その行為の一つ一つが自ら住まいする環境の悪化を食い止める事に繋がると感じながら。
さて、昨日はこの森林ツアーの見学予定地最終決定の打合せのため丹波に行って来ました。