2008年04月08日

研修会

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太陽光発電パネル昨日の記事と時系列は相前後しますが、土曜日は<ひょうご・ネットワーク「木の道」>の今年度最初の行事、メンバー有志による木造の施設建築見学会・・・少し大きな規模の木造建築を学ぼうという研修会でした。
向かった先は兵庫県の西の端、たつの市(旧新宮町)・佐用町・上郡町にまたがる播磨科学公園都市と赤穂市の諸施設・・・ついでなのでメンバーだけに限らず、知り合いの設計事務所連中も誘ってのワイワイガヤガヤの見学会となりました。

上写真は先月20日、播磨科学公園都市のはずれにオープンした県立<ひょうご環境体験館 通称:エコハウス>へのアプローチ・・・歩く参加者の前に並ぶのは太陽光発電パネル。
で、下写真がその体験館の内観。
日本初の木質単層トラス構造というのが売りの一つで、見学の一番の目的もまたそれ。
メンバーの一人がここでボランティアスタッフを務めているという縁で今回の見学先の一つとなったわけですが、竣工までにはメンバーのうち数社がいろいろな面で翻弄させられたという因縁付きの建築でもあるそう。
その因縁とは・・・えーと、非公開です。(^^)

ひょうご環境体験館 内観
写真は全て PENTAX K200D SMC PENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6AL II

この建築に費やされたエネルギーの凄まじさ感は内部空間だけからもそれなりに感じ取れますが、その耐候性鋼板の錆に覆われたファサードを観ればなおの事。↓
斜面から建ち上がる一本の巨大な鉄骨トラス脚(エキスパンドメタル張)が不定形の床面を支え、(目測ですが)床面積の3分の2ほどが浮いた状態で建っていました。

ひょうご環境体験館 外観

で、その建築エネルギーの凄まじさには参加者一同それなりに圧倒されたものの、この建築自体の存在意義については喧々諤々。
そもそも、このような交通の便が良好とは言い難い場所に、それなりの県民税や国庫補助金を投入してこれほどの施設を造る必要があるのかといった発注者サイドにおける根本的な問題にはじまり、太陽光発電や風力発電、雨水利用やクール&ヒートチューブなど「エコ」な設備こそ組み込まれてはいるものの、この建築自体が建築コストも含めてはたして本当に「エコ」なのか、あるいはこの空間や形態が「エコ」というメッセージを発信するに適切なものと言えるのかといった設計者への疑問や、今後どのように運営して行くのか(現時点ではどうもはっきりしていないよう)といった話まで、ハテナ?の数は尽きない「公共建築」。
業界人を離れ一兵庫県民として見るならば、財政が逼迫している折りも折り(全国ワースト2位だそう)、こんなもんに税金使うな!的建築の一つとしか映りません・・・ほんまに。

そんな「公共建築」への問は播磨科学公園都市全体に対する問にも繋がりますが、エコハウスの前に訪れた下写真の<兵庫県立西播磨総合リハビリテーションセンター ふれあいスポーツ交流館>でもまた同じ。
ただこの施設を見学しながらエコハウスほどに反発を感じなかったのは、まだ運営(建築)目的とその方針が明確だったからか・・・公共建築で大切なのは、何のために誰のために、コストも含めどんなベクトルで建てるのか、それが要だと改めて感じた見学会でもありました。

ふれあいスポーツ交流館
ちなみにこの体育館の屋根を支えるトラスは、メンバーの一社で、うちでも構造設計をよくお願いしている<森林経済工学研究所>が開発した木質トラス・・・こちらはよくある立体トラス構造になってました

なんか目が吊り上ったような話が続きましたが、それはさておき、ここで面白かったのが、この競技用車椅子に乗せてもらった事・・・前から一度、操ってみたいと思っていたのです。(^^)v
他の参加者の引いた目線をものともせず(乗ったのは私だけ)、しばし一人車椅子バスケット的操作に興じていたのでした・・・(^^)

グループホーム 坂越の家さてさて、そんな播磨科学公園都市の後は赤穂市内へ移動して、メンバーの設計事務所が設計した認知症患者のための介護施設・グループホームを2軒見学。
写真は木造準耐火構造2階建てのグループホーム。こちらは民間施設ですから、どちらかと言えば採算重視の設計といったところで、ある意味安心できる建築(?)ではありました。
ちなみにこの2軒に使われた構造材・造作材は、うちでもよく木材を入れてもらっている宍粟市の丸正木材製だそうで、仕上げの板材などはやはりメンバーの一社、東亜林業が最近開発した不燃木材(杉・桧)だそう。
丸正木材さんにしても東亜林業さんにしても、コストなりなところは否めませんが、そんな条件の中でもよく吟味された材を納品されていたように見受けられました。

このグループホームの見学で研修会は一応お開きとなりましたが、せっかくの赤穂、有志で赤穂城へも足を伸ばしてみる事に。
予備知識なく行ったので何も知りませんでしたが、赤穂城に残るのは再建された一部の城郭を除けば石垣くらいで、変わって城内には赤穂義士四十七士と萱野三平を祀る大石神社なるものが建立されていました。
赤穂では義士は神様だったのですね・・・。

大石神社
左: 石垣の上から除いている屋根が大石神社本殿
右: 参道には四十七士像がずらりと並ぶ それぞれの寄贈者銘にはほとんどが各義士の子孫と思しき方々の名が


でも皆さん、あまり忠臣蔵には興味がないようで、そそくさと参るだけ。
私としてはもっと見たかったのですが、そこはグループ行動・・・後ろ髪引かれる思いながら、再訪を誓い帰途についたのでありました。(; ;)/~  
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2008年04月01日

エーデルジャパン

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4月1日という事で、Yahoo!JAPANはインベーダー(ゲーム)に侵略されていたり、(私も家族も事務所でも車の運転はしないので直接の影響はこれといってありませんが)世間ではガソリン関連でテンヤワンヤに悲喜交々もあったりしたようですが、私のブログはこんな日も普段どおり(?)いたって普通に真面目に・・・(^^)

昨日の午後は3月4日の記事でチラッと触れていた<四世代の家>に採用するドイツ製断熱樹脂サッシの現品見学と納まりなど打ち合わせを兼ねて兵庫県三木市(旧吉川町)にあるエーデルジャパンの本社兼ショールームへ。
エーデルジャパンはドイツ製木材用塗料で有名な日本オスモの子会社で、オスモさんの本社も同じ場所にあります。

エーデル フェンスターで、左がその断熱樹脂サッシ<エーデル フェンスター>の断面モデル(へーべシーベ)。
さすがドイツ製!といった感じでその断面はまさに質実剛健・・・枠・障子框とも見込は70mm、業界の方ならその剛健さがよくわかると思います。
樹脂サッシは近年、日本の各サッシメーカーも力を入れている分野のようですが、それら日本製の枠部材と比べると、部材内の樹脂の厚みや見た目もはるかにゴツい!といった観で、頼りになるヤツという雰囲気がそこはかとなく漂ってくる断面モデルです。

ただ、それだけにこのサッシを自分の空間デザインの中で違和感なく置くのは(まだディテールの詰めはこれからとはいえ)至難の業かも、とは思っています。
そんなディテールを考えるにあたり、何ができて何ができないかを知るための打ち合わせ、が昨日だったのでした。

では、なぜに今回の計画でそんなチャレンジングなサッシを採用するに至ったのかと言えば、理由はいたって単純、住まい手がこの会社の方だから・・・(^^;
とはいえ、このような会社にお勤めの住まい手。サッシに限らず住宅の総合的な断熱性能やそこから生まれる熱環境について豊富な知識と拘りをお持ちで、私にとってとても刺激になるもの。
この機会を活かして、さらに私自身のスキルアップもできれば、とも思うやりがいのある住まいづくりでもあります。

エーデル ヴァレーマ左はサッシに加え、西日が射す大きな開口部や隣家からの目線が気になる部分に設ける予定の外付けブラインド<エーデル ヴァレーマ>。
室内に吊るすブラインドとは違い、断トツの日射遮蔽=遮熱性能を発揮するアイテムです。
日本製でも外付けブラインドシャッターなるアイテムはいくつかありますが、樹脂サッシと違い、こちらはそれら日本製と比べると逆にスレンダーというか、ディテールにも様々な工夫を施しやすいシンプルなシステム。
でもシンプルとはいえ、かなり強い風が吹いていたこの日でも妙な振動や変な音も発生せず、その頑丈さはやはりドイツ!という感でした。

ちなみに下ろした状態でも風速16m/sまでは大丈夫だそうですが、それ以上風が強くなる場合には上げて収納して下さい、というある意味わかりやすい使い方をうたうアイテム。
日本のメーカーのものが、おそらく元がシャッターや雨戸から派生してきているためなのでしょう、台風でも下ろした状態のまま耐えようとする考えなのに対して、ヴァレーマの方はあくまでも日射遮蔽のための「ブラインド」という考えなので、部材を薄く、また全体のデザインもシンプルなものにできたのでしょう・・・たぶん。
こちらもどう外観デザインの中に納めて行くのかは、これから。
自分が求める住まいづくりと一致しない課題は正直、苦痛でしかありませんが、このようなパッシブデザインとしても取り組み甲斐のある課題は逆に快感(M?)・・そんな楽しみももった<四世代の家>なのでした。(^^)  
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2008年01月24日

lights

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この一週間、仕事の話ばかりが続きましたが、今日はちょっと趣を変えて・・・あっ、でも、やっぱり建築関連の話だったりしますが。(^^)

高麗橋先週の水曜日、知り合いの方に招待券を頂いた事もあり、20日まで心斎橋そごうで開催されていた「堀木エリ子の世界展−和紙から生まれる祈り−」を観に行ってきました。
堀木エリ子さんをご存じない方は下記リンクをどうぞ。
http://www.eriko-horiki.com/

「和紙と光がつくる柔らかな空間」という内容の展示会でしたが、私自身は、というか建築設計に携わる人の多くがそうかも知れませんが、どうしても照明に照らされる空間に主点を置いてしまうので、照明器具や光源自体はできるだけシンプルなものを、と嗜好しがちですが、作品を拝見して「こんなのも有りなのかな」とまた一つ勉強になった展示会でした。

で、時間は逆行しますが、心斎橋に行く前に淀屋橋で所用があり、それを終えた後は久しぶりに御堂筋をブラブラと歩いてみました。
いやー変わってますね・・・場所によっては何年かぶりに歩いた所もあり、テナントの店舗が変わっているだけでなく、ビル自体も建て代わっていたりで「そら3年もブランクが空いたら変わるわなぁ」と一人納得。(^^)
上写真は歩きはじめの高麗橋3丁目交差点・・・この辺は昨秋も歩いたのであまり代わり映えはしない ←当たり前

ヤマギワショールーム
途中、本町では照明器具つながり(?)でヤマギワのショールームを覗く (^^)・・・この照明はなかなかイカしてます

心斎橋そして心斎橋・・・心象的にも大きく様変わりしてしまったのが、ここ。
ソニータワー(設計: 黒川紀章氏)を解体して昨年末にオープンした La Porte 心斎橋(設計: 大江匡氏)。
黒川さんの建築は総じて好きではないけれど、このソニータワーは別(あと国立民族学博物館も)。
大学時代、心斎橋で待ち合わせ!といえばこの周辺でしたし、当時所属していた広告研究会ではここで作品展をさせてもらったりもして、いろいろとお世話になった建物・・・建築としても、まあ、有楽町のソニービル(設計: 芦原義信氏)に比べるとなんなんですが、それなりに「エエなぁ」と思えるものでしたしね。
それがこんな電気代もなんのそののギンギラギンビルになってしまうとは・・・やっぱり哀しいもんです。

光るビルがコンセプトとして外せないものであったのなら、それこそ堀木エリ子さんの和紙で覆えば、また違った印象になったのでは、と展示会場を出た後に思ったりもした、そんな夕べでした。
多くの人がたぶん同じような批判をしてるんでしょうね・・・リビルドを引き受けた大江氏も、それはそれで大変か (^^;
3点ともGR DIGITAL 適宜レタッチ・トリミング
  
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2008年01月18日

種まき

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急傾斜地の家昨年末に竣工した<急傾斜地の家>ですが、一つだけ年越しで残っていた工事がありました。
それは斜面地保護のためにクローバーの種を蒔く工事。
今朝、その工事が行われ、立会いがてら伺いました。

種まきとは言っても、斜面地ですから単純に種を蒔いただけでは雨で流れてしまいます。
なので、今回は主に土木工事で用いられる斜面地保護工法<種子吹付工>による種まきを採用・・・種子を粘着材(糊)や肥料などと共に吹付け、植物が芽を出すまで種子や土壌の流出を抑える工法です。

種まき作業
この2点のみNikon P50 他はGR DIGITAL

先述の材料を機械で攪拌してホースで散布するだけの工事ですが、本来は土木用途で用いられる工法だけに機械(上右)はなかなか大掛かりなもの。
でも、作業自体は1時間弱で終了、って実は私は到着するのが遅く、着いたと同時にこの機械を載せた車が出て行くところで作業自体は立ち会えず・・・(^^;
なので、上のP50で撮った写真はスタッフの撮影。

緑の大地そんなこんなでしたから、私が着いた時には斜面地は一面の緑色・・・(^^;
蒔き終わったところとそうでないところがよくわかるように、の緑色なんだそうですが、なんとも人工的な緑色に染まってしまっていました。

まあ、でも、それも春までの辛抱。
クローバーが綺麗に生えそろうには、たぶん1年先、来年の春を待たないと無理かなとは思いますが、でも今年の春でもそこそこには自然の緑に覆われるのでは、と期待しています。

今日に合わせて、お住まいになられてから発生した建具の不具合調整や若干の追加工事も行いましたが、住まい手からは先日いただいたメールでも
子どもたちは大変喜んでいて、毎日にこにこと、にぎやかに走り回っています。
家事もとても楽になりました。
本当にありがとうございました。
といったお言葉をいただき、このような滅多にない斜面地での設計や工事の経験をさせていただいて、ほんと楽しくまたいろいろと新たな経験も積めたプロジェクトだった、と改めて感謝した次第です。  
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2007年12月10日

木建いろいろ

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ブログ更新の間が少し空きましたが、その分今回はガッツリと密度の濃い内容で<硝子工事>・<隠し框>と続いた開口部シリーズ第三弾をお送りします・・・って、いつのまシリーズに。(^^)
第三弾は木製建具の話いろいろです。

広く木製建具という場合、木製サッシや木質系(半)既製品のドアや引戸も含まれますが、ここでお話しするのは現場で通称「木建」と呼ばれる造作木製建具・・・現場ごとに都度、無垢板や化粧合板で造る建具のお話です。

奥天神の家 玄関<隠し框>の記事で書いたように、機能面やコスト面を考えると窓に木建はなかなか使いづらいかなぁ、と思っている私ですが、玄関ドアや室内の扉・引戸はやっぱり木建じゃないとね、というのがうちの建築デザインの基本スタンスです。
特に玄関は疲れて帰る家族を迎え入れ、また訪ねてきてくださるお客が最初に目にする場。
そんな場所にあるドアは、やっぱり温かな表情を持った無垢の木の建具に限る、と考えています。

左写真は<奥天神の家 I>の玄関ドア・・・米杉材の無垢板に木材保護塗料を塗ったものです。
玄関ドアに使う板材は、現場打合せの中で建具屋さんがその時点で在庫として持っている乾燥した板材の中から(予算も考えながら)選ぶという場合がほとんどですが、やはり後々のソリや変形をを考えると針葉樹を採用する事が多く、とりわけ米杉(Western red cedar ネズコ属)や米ひば(Yellow ceder ヒノキ科)で造る事が多い昨今です。

また周りの外壁が杉板張などの場合には、玄関ドアも同材として杉材で仕立てる事も多く、そんな例が下写真の<苦楽園の家>。
当初は色も外壁と同じキシラデコールのエボニー色にしようと考えていましたが、工事が進む中でそれではちょっと埋没しすぎるようにも感じたので最終的には住まい手と相談して色を変え、アプローチにほのかな「彩」を与えてみました。
そしてここではドア枠にも一工夫・・・アプローチの軒天井と玄関内の天井高の微妙な違いを生かして上枠に設けた24時間換気のための吸気口です。
右下の写真だけでは少し分かりづらいかもしれませんが、上枠は鴨居のように天井から離れていて枠外に張ったパンチングメタルの穴から空気が通うように設えています。

苦楽園の家 玄関

2003年の建築基準法改正でシックハウス対策のための24時間換気が義務付けられ、換気扇による強制排気だけでなく居室内の空気が効率良く換気できるように吸気口も設けなければならなくなりましたが、この吸気口の位置がなかなかヤッカイ。
例えば寝室などになんの考えもなく設けてしままうと、冬場、冷たい外気が流入してきて「うっ、なんだか足元が冷える」なんて事になってしまいます。対策としては熱交換型給排気扇を採用するなどいくつか対処の仕方はありますが、まずはそんな設備機器に頼るよりも、寝室や居室からの排気を心掛け、吸気口はできるだけ人の居場所から離れた玄関などに設けるように計画するのが基本。
でもせっかくのエントランス空間に吸気口然とした物を設けるのも粋じゃない・・・そう考えて一工夫したのがこの換気ドア枠です。

ドアと換気の絡みで言うと、よくご要望もいただくのが勝手口の換気。
特に厨房に接して勝手口を計画する場合には、やはり夏場の調理は暑さとの戦いになる事もあって、そんなご要望をよくいただきます。
そんな需要を見越してアルミサッシにも換気用上下窓つきの勝手口ドアやアコーデオン状の網戸なんていうのもありますが、どちらにしろ機能面はいざ知らずデザイン面ではできるなら採用したくないブツ。
なので、いままでもドア横に換気用の小窓を別に設けるなどの工夫をしたりしてきましたが、ここ最近よく使うようになったのが勝手口ドアの内側に網戸の引戸を設けるという手法です。
下写真は<奥天神の家 I>ですが、左側の奥に写っているスリットを切って外部側に防虫網を張ったシナベニヤにクリア塗装の引戸がそれでです。

奥天神の家 勝手口
右は網戸を開けた状態。網戸を閉めれば見えなくなる勝手口ドア自体は気密性とコストバランスを考え安価なアルミサッシ框戸を採用・・・それができるのもこの手法のメリット。

一般的に勝手口はあまり覗かれたくもない場所ですから、このスリット式の網戸だと半目隠しにもなって一石二鳥。また、ドアを開け放って網戸だけ閉めている際に他所に居ても大丈夫なように、室内から施錠できる鎌錠も取り付けてあります。

奥天神の家 寝室で、目隠しと言えば遮光・・・って、ちょっとつながりが苦しですが。(^^;
<奥天神の家 I>にはそんな遮光についての一工夫もあります。

これもちょくちょくいただくお話ですが、寝室は寝ている間は朝でも遮光して暗くしておきたい、というご要望で、この住宅もまた然り。
でも、住まい手はカーテンやベネシャンブラインドがお嫌で、なおかつ、この寝室の窓はこの住宅で最も眺望の利く開口なのでコーナー出窓にしてワイドに風景を切り取りたい=雨戸は付けられないし、遮光シャッターも難しい。
そんな時の一工夫が襖による遮光。
まあ、左の写真をご覧いただければ一目瞭然ですね。
壁の薄塗り漆喰にほぼ近い白の揉み紙を使った枠無し襖(坊主襖)でシンプルに納めています。

また、時に住宅設計では遮光とは反対に漏れる光もまた重要。
部屋から漏れてくる光でそこに家族の気配を感じることができますし、もっと単純に電気の消し忘れがわかったりもします。
下の写真はそんな漏れる光の演出の一つ、<富田の家 II>のトイレ引戸に施した光の漏れる引手です。

富田の家 2 トイレ引戸
引戸の鎌錠(表示錠)はうちの定番、ATOM:KL30 先述の網戸の鎌錠も同じシリーズ

この引戸は戸袋内への引込み戸のため付框(※図面下キャプション参照)納まりとなっていますが、その引手部分を貫通穴にして乳白アクリル板を仕込んだだけのなんて事ないディテール。
でも、建具のアクセントにもなってなかなか良いものです。

付框詳細図
引手納まり詳細図
付框: 引込み戸の戸尻(引込み側)に呑込みを付けるためのもの。付框を付けない状態で建具を吊り込み、その後、戸頭に框をビス止めする事で呑込み代を作る引込み戸の定番ディテール。


このようになんだかんだと設計ごと現場ごとに、住まい手のご要望や私たちのこだわり、また時に切羽詰った上での瓢箪から駒だったりもしますが、そんなところから様々な工夫を考え、それを(スチール製建具などに比べれば)安価に実現できる点が「木建」の楽しいところ&住宅設計の醍醐味でもあるわけですが、最後に<加西の家>での工夫をご紹介してお開きにします。

<加西の家>のアプローチには下写真のように酒樽に使われていた杉板を再利用した板塀を配して、それを室内まで連続させる事で、外から内へ、内から外へと繋がる空間演出しています。
※なぜ酒樽杉材を再利用しているかは、下記ウェブサイトの「仕事の記憶 加西の家」ページをご覧下さい。
http://www.kenchikusha.com/history/kasai.html


加西の家 玄関
玄関ドアも酒樽杉材仕上

ただ、このように連続した壁面を計画しようとした際に問題になったのが玄関収納。
プランの制約上、反対側の壁に収納を設ける事は難しい・・・そこで施した工夫が、壁と同じ酒樽杉材で建具を設え収納を隠すディテール。

加西の家 下足箱扉左写真のようにこの壁には天井いっぱいで幅約2.5mの収納が隠されていますが、扉を閉じてさえいればアプローチからの連続感を損なわないデザインに仕立てる事ができました。

ただ、これはさすがに安価な木建とは言えず。(^^;
普通に無垢板張りの建具というだけでも壁と仕上げを合わせる事はなかなか難しい事なのに、酒樽の杉板はなにせ古材。
腐っている部分もあってそれを有効に使おうとすると幅だけでなく長さも乱取りになり結果縦横に矧がねばならず・・・まあ、とんでもない手間になってしまいました。(^^;
いま振り返ってみても工務店&建具屋さんもよくやってくれたと思いますが、まあ、お値段もそれなりになってしまった・・・そんな木建工事ではありました。
でも、そのお陰で唯一無二、この住まいならではのエントランス空間が生まれ、何より住まい手が喜ばれているのが印象的でした。

以上、長々と木建について綴ってきましたが(ここからはまた宣伝になりますが)今度、見学会を開く<急傾斜地の家>でもここで紹介した工夫の内の幾つかや、さらに新しい工夫を施した木建なども設えています。
見るだけでなく、実際に触れて動かせもするこの機会。ご興味があれば見学会に来てみて下さい!

おまけ
そうそう<小曽根の家>ではこんな事もやっています。↓
仕事の記憶 小曽根の家: http://www.kenchikusha.com/history/ozone.html
上のリンク先ページの下の方「20031028 完成見学会報告」の記事参照・・・入隅を回る明かり障子です。



急傾斜地の家 完成見学会
参加者募集中です。
開催日:2007年12月22日(土)・23日(日)
場所:兵庫県西宮市
詳しくは下記リンクをご覧下さい。皆様からのご参加申込みをお待ちしております。
http://blog.kenchikusha.com/archives/50395803.html
  
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2007年12月05日

DIC C274

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昨日の午前中は<高台の家>の現場へ。
例によってJR福知山線の快速電車で向かったわけですが、新三田駅辺りまでは青空が広がっていたものの北へ向かうほどに雲が多くなってきて、古市駅辺りではもう一面の雲・雲・雲。
急傾斜地の家>同様、足場の取れた外観写真をお伝えしたいのですが、やっぱり曇天下の写真では冴えないのでなんとか晴れて欲しいなぁと思っているのに、ああ今週もダメか(ちなみに先週も曇天)と断念しながら篠山口駅に着いたところ、ムムムッ、なんだかかろうじて晴れ間が覗きそうな雲行きに。
で、慌てて現場に駆けつけた(別に走ってはいませんが)ところ、ちょうどいい塩梅に青空が・・・という事で(長い前フリ)、足場解体後初公開の外観写真です↓(^^)v

高台の家 外観
道路側(北側)外観 陽が射したのはこの前後5分ほど・・・ラッキーでした

前から何度か書いていますが、この<高台の家>の外壁は屋根同様に黒系色。
黒いキュービクルな外観に、所々に配した杉板素地(キシラデコールクリア:やすらぎ塗)の色合いが映えるシックながらも個性的な佇まいに仕立てました。

ただ、黒系色とはいっても無彩色ではなく、<急傾斜地の家>と同様、大日本インキ化学(DIC)の色見本から選んだ中国の伝統色の中の<C274 灯草灰(タンツァオホイ)>というほんのわずかに緑がかった濃いグレーを採用。
このようにわずかに彩のある色を使う事で日の当たり具合による色の変化がより強調され、ともすればノッペリとなりがちなウレタン塗装仕上げによる外観にもそれなりの深みを与える事ができるのではと考えていて、この住まいでも成功!と思っています・・・まあ、この写真だけではわからないと思いますが。(^^;

内部塗装工事室内では引き続いて内部塗装の下地工事が進行中・・・こちらも年明け1月中旬の竣工を目指してそろそろ追い込みの段階です。

という事で、この住まいものご好意を頂いて年明けには完成見学会を予定しています。
日曜日1日だけの予定ですが、今のところ1月20日くらいで調整中です。
年内中には正式に日取りを決めて見学会のご案内をお伝えできるのでは、と思っています・・・<急傾斜地の家>完成見学会同様、こちらもお楽しみに!です。



急傾斜地の家 完成見学会
参加者募集中です。
開催日:2007年12月22日(土)・23日(日)
場所:兵庫県西宮市
詳しくは下記リンクをご覧下さい。皆様からのご参加申込みをお待ちしております。
http://blog.kenchikusha.com/archives/50395803.html
  
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2007年11月30日

DIC F173

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今日は<急傾斜地の家>の足場解体の日。
快晴の空の下、足場シートの青いベールに包まれ続けた外観が、いよいよ姿を現しました・・・↓

東側見上げ

♪ あの消えそうに燃えそうな ワインレッドの〜 心を持つ あなたの願いが 叶うのに〜♪
ワインレッドの心 作詞:井上陽水 作曲:玉置浩二
なにかそんな歌が頭の中に響いてきそうな色ですが・・・(^^)

北側妻壁日の当たり方によって、またこうした画像の場合にはデジカメやモニターの色再現性によっても色の印象はかなり違ってきますが、少なくともGR DIGITAL+私のナナオのモニターでは左の写真の色が最も実際に近い色、かな。

住まい手は元より監督や棟梁他、皆さん、やれ阪急電車の色だの、いや昔の近鉄電車の色だの、いやいや私の着ているコートの色(昨日の記事で写っています)だの、いろんな説が飛び交っていますが(^^)、原典は大日本インキ化学(DIC)の色見本:フランスの伝統色の中の<F173 Laque>という色で、そこから顔料調色したもの。
それを7分艶のウレタン塗料でローラー塗しています。

赤系色でも比較的渋めの色ですが、敷地下の小道を通る近所の皆さんが目を丸くして見上げていたように強い主張を持った色には変わりありません。
なぜ今回こんな強い色を採用したかといえば、基本設計に試行錯誤する中で、このような敷地に住宅を構築しようという行為はそれがどんなプランであれ、「自然に抗う」ことを体現しているに他ならず、「抗う」を体現する以上そこに与えるべき色彩は地味な色ではなく、力強い色でなければならないのではないか、と考えたからです。
で、プレゼンテーションの時にこのような色合いでスケッチしたドローイングを提示したわけですが、正直、まさか住まい手に採用されるとは思っていませんでした。(^^)
でも(特に奥様が)大変に気に入られ、そのまま採用されてしまった・・・のでありました。
まあ、この提案がダメなら熱血タイガースファンの住まい手に敬意を表して、赤と白ではなく、黒と黄にしようかとも思っていたので・・・いま考えれば、そうならなくて良かったかも?です。(^^)

ちなみに<F173 Laque>を塗っているのは木造部分の大判サイディング外壁のみ。
対してRC部分は白(純白ではない)に塗り分ける事で、より色の強さを醸し出すとともに、熱容量の大きなRC壁への蓄熱を抑え、無用な熱負荷を軽減しています。

西側外観

上写真は道路側、玄関のファサード。
木造部分全てがウレタン塗装仕上げではなく、建築基準法上、延焼のおそれのある部分に掛からず防火・不燃構造にしなくてもよい外壁部分は、このような杉板張(キシラデコールクリア:やすらぎ塗)としてアプローチ空間を演出しています。

そんなこんなの現場ですが、今日は造作家具・キッチンの据付けも行われました・・・というか、仕事としてはそちらの立会・検品&据付工事補助がメイン。
この住宅もいつものように家具・キッチンのデザインは私たちの事務所のオリジナル。
製作・据付工事も工務店とは別途工事として、うちから直接家具工場の矢野川別注家具さんに発注する事でより良いものをより安く!を実現しています・・・も、いつもの事。

家具工事
左:キッチン背面の食器棚の据付け準備をする矢野川さん 右:据付け作業を終わった洗面収納
6点ともGR DIGITAL 一部トリミング


今回もややこしいデザイン&納まりの家具を(時々、ムカッとした表情を暗に示しながらも?)ニコニコと丁寧な仕事で製作してもらいました・・・いつもながらに感謝、感謝。
まあ、そんな家具のお話はまた後日。&見学会でのお楽しみという事で・・・また。

あーっと、一つ書き添えておけば、メインのキッチン・ワークステーションも白系(メラミン化粧板)。
決して赤系やタイガースカラーではありません。(^^)



急傾斜地の家 完成見学会
参加者募集中です。
開催日:2007年12月22日(土)・23日(日)
場所:兵庫県西宮市
詳しくは下記リンクをご覧下さい。皆様からのご参加申込みをお待ちしております。
http://blog.kenchikusha.com/archives/50395803.html
  
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2007年11月28日

隠し框

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前回の<急傾斜地の家>の現場の様子をお伝えした記事<硝子工事>ではFIXガラス窓(嵌め殺しで開かない光を取り入れるだけの窓)の施工の模様をお伝えしたわけですが、それに話を繋げて今回は、開く窓でのちょっとした工夫の話をしてみたいと思います。

住宅の設計で開いたり引いたり動く窓のデザインを考える場合、意匠面だけで考えれば半既製品のアルミサッシや樹脂サッシよりは木製建具やスチールサッシを採用した方が空間に即した様々な形やディテールを工夫する事ができ、空間デザインにとって開口部の設えが特に重要な要素の一つであるが故に、空間全体の演出という点からも優れていると言えます。
でも、その場その場で一から造る木製建具の場合には、よほど凝ったディテールと厳選された木材を使わない限り(=ドカッとコストアップ)気密性に問題を抱えますし、経年変化による劣化も気になります。
また、スチールサッシの場合には製作費がこれまたドドーンと掛かる上に、ヒートブリッジによるサッシ枠(表面だけでなく内部共)での結露はよほどの対策を講じない限り避けられませんし、ディテールによってはかなりの重量ともなるため構造が木造の場合には構造体への負担も増します。
近年は木枠を使って半ば既製品化されたいわゆる木製サッシも様々なメーカーで造られ多く出回るようになってきており、中には木の素材感を生かした空間であればかなりマッチする優れたデザインのサッシも見受けられるようになってきましたが、開口はできるだけシンプル、といった空間デザインの場合にはたとえ単体のデザインとしては優れていようともその大きな木枠(障子框といいます)はやはり不粋なものとなります。

ちょっと余談気味な話ですが、建築雑誌に掲載されるような住宅にやたらとFIX窓が多用されているのは、簡単なディテール=ローコストで枠を消し去ったシンプルな開口部が造れるから、でもあります・・・もちろんその窓は開きませんから、そんな窓ばかりで設えられた住宅は、私の場合、写真を眺めているだけでもなんだか息苦しく感じたり。(^^;
もちろん私も前述の記事<硝子工事>のように様々な理由から所々にFIX窓を採り入れますが、やっぱり住宅では大半の窓は開かないと・・・そう考えています。

ところがそんな開閉可能な窓にはしたいものの、時に、ここは障子框がないシンプルな開口として見せなければ空間が締まらない、という場合が出てきます。
あぁだけれども予算は限られているし、気密性の確保や経年変化も考えないと・・・そんな時に私たちの事務所で採用する定番のディテールが、アルミサッシ(樹脂サッシでも同じ)の中でも最もローコストな引違い窓を使った隠し框納まりの引込み窓です。

文章が長くなりました。
百聞は一見にしかず・・・<奥天神の家 I>家族の間に設えた隠し框納まりの窓です。

隠し框 1
左: 明かり障子も閉めている状態。
ここでは明かり障子も引込み戸で設えています・・・余談:業界人向けの話ですが、この写真では右手の柱と障子の間にあるスリットが吊り込みのミソ。わかりますよね?
右: 明かり障子を壁内の戸袋に引き込んでいる途中。


隠し框 2
左: 明かり障子を引き込んだ状態・・・不粋な枠がないガラス面だけのシンプルな開口部。
右: でもFIX窓ではなく、このようにガラス障子も壁に引き込む事ができます。


隠し框 3
左: ガラス障子も引き込んだ状態。撮影時ははずしていますが、もちろん網戸も引込みです。
右: 引込み側枠周り詳細。枠中央部の小扉はクレセントを締めるためのもの。


サッシ納まり平面詳細図
平面詳細図 この住宅ではサッシ外部に外物置(図右下)を設けたため若干納まりは複雑です。
ちなみに扁平柱からは左手は約2.6m×2.0mの大きなFIX窓。


隠し框納まりは、なにも私たちのオリジナルディテールというわけでもなく、昔からある工夫ですが、(たぶん)ここまで徹底してやっている事務所はあまり見かけない・・・その辺が、まあ、その、ちょっとした自慢かも(^^)、です。
ただ、気密性・耐久性に優れながらも超ローコストな住宅用アルミサッシ引違い窓を使っているとはいえ、ディテールを実現するための大工職の手間はそれなりに・・・で、全体のコストバランスを考えると要所でしか使えないのが難点ではあります。

けれども、そんな工夫から生まれた空間は、写真ではなかなかお伝えできないものの、デザイン面だけでなく温熱環境面からもやはり他では得がたい居心地の良いものと考えていますし、住まい手の方にはそれを実感していただいています。

そしてここからはチョイと宣伝ですが、この隠し框納まりは来月末に見学会を開く<急傾斜地の家>でも採用・・・そう、見学会に参加されると実感もしていただけるというわけです。(^^)v
今回は高所の窓にもかかわらず、求めようとする空間から考えるとどうしても腰壁の高さを低く抑えてかつ大きく開きたい!という結論になり、故に落下防止などの安全面にも一工夫した納まりともなっています。
この窓を見るだけでも見学会参加の価値有り。←ほんまに?(^^;
と思ったら、ぜひ、来て見て、その空間や私たちの設計ってこんな風、を体感してみて下さい。



急傾斜地の家 完成見学会
参加者募集中です。
開催日:2007年12月22日(土)・23日(日)
場所:兵庫県西宮市
詳しくは下記リンクをご覧下さい。皆様からのご参加申込みをお待ちしております。
http://blog.kenchikusha.com/archives/50395803.html
  
Posted by masai at 19:12 PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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2007年11月22日

硝子工事

0607
車窓から・・・阪急電車・ロマンスシート車両編。(^^)

車窓から 3

今朝は阪急電車を宝塚線・今津線と乗り継いで<急傾斜地の家>へ。
今日・一昨日とこんな写真を撮っていたから、というわけでもないでしょうが、折りしも今日は木製造作枠FIX窓にガラスを嵌め込む工事の日。(^^)

大判複層ガラス
1階主窓のガラス 複層ガラス(5mm+A6+5mm) 約2.3m×1.9m

アルミサッシに嵌め込むガラスは、工事の早い段階から取り付けられるのが普通ですが、木製造作枠でガラス窓を設計すると大工職の枠造作が終わってから採寸してガラスを製作する事になるので、取付けは工事も追い込みの段階になってから。
この時期になると、ガラス面積が大きな場合には室内を通って搬入する事はまず難しい状態になってきていますから、階上の窓の場合は、やおら狭い足場を伝っての搬入となります。
もちろん吊り込み用にクレーン車を用意すれば、そんな苦労をしなくても済みますが、ある程度大きなの規模の工事でもない限りなかなか金銭的に難しい話ですし、そもそもこの現場の場合、嵌め込もうとしている開口部までクレーンのアームは届かない・・・なので、やっぱり搬入は人力頼み。↓

硝子工事 1

複層ガラスはガラスが二重になっているだけに重い・・・このガラスで約110kg。
5人がかりで、まずは2階にあたる道路面から地階へと坂を下って、外壁と足場の隙間にガラスを搬入。ここで隙間を縫ってガラスを90度回転させるのに、約15分・・・当てて傷が付くとオジャンなので超慎重作業。(上左)
そして、そこから目的の1階の開口部へガラスをゆっくりと引き上げ。(上右)
なんとか無事に嵌って一同一安心。(下左)
別の箇所にある台形状ガラスも嵌って、今日の作業はめでたく完了。(下右)

見ているだけでもなかなか緊張感のある作業でしたが、「なんでこんな設計するねん」のお言葉もなく、無事取り付けられたのでありました。(^^)v

硝子工事 2

そんなこんなのガラス工事をはじめ、この<急傾斜地の家>もいよいよ外装の最終段階。
来週半ばまでには塗装工事も完了し、今月末には足場解体の予定です。

青空この青いベールに包まれ続けた外観が姿を現すのももう少し。

そして皆さんのお待ちかね、住まい手にご好意を頂いての完成見学会は12月22日(土)・23日(日)の開催と決まりました。
詳しいご案内については来週はじめ頃にアップする予定です。
どうぞ、お楽しみに!!
全てGR DIGITAL 適宜レタッチ・トリミング  
Posted by masai at 17:54 PermalinkComments(2)TrackBack(0)
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2007年10月23日

pink pink

0585
高台の家 外観高台の家>は外壁の塗装下地が張り上がる。
下地は大判(910×3030×12)の無塗装サイディング。この後、目地のコーキングなど細々とした処理が施され、天気さえよければ来々週の初めあたりには塗装工事、といったところです。
ちなみにこちらの外壁色は(前にも書きましたが)うちの事務所ではポピュラーな黒系色・・・仕上がれば、屋根の「銀黒」と相まってキリッと引き締まった外観になるはずです。

そんな外観から中に入ると2階がなんだか、ピンク・ピンク↓・・・?

高台の家 気密断熱工事

正体は断熱層の上に張られた防湿ポリエチレンフィルムに色が付いていたから・・・長年気密断熱工事を見てきましたが、色の付いたフィルムに出会ったのはこの現場がはじめて。

急傾斜地の家 気密断熱工事左写真は先週土曜日に撮った<急傾斜地の家>の内部ですが、こんな風に通常施工されるポリエチレンフィルムは無色透明なもの。
これを見慣れた目には、ピンク色のフィルムはなんだかとっても違和感がありました。

<高台の家>施工工務店:トータル
<急傾斜地の家>施工工務店:大和建設


どこの製品?と確認するとフクビのバリアエースとの事。
カタログを見ると「シート色は暖かみのあるライトブラウン」を採用とありましたが、断熱材が真っ白なこともあってかライトブラウンというよりは、やっぱり現場ではピンク色に見えました。
で、問題は(そんなたいそうなもんでもありませんが)なんでこんな色が付いているのか?
素材自体は無色透明なものと同じ L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)とカタログには書かれていますし、耐久性が向上!というような事でもないらしい。
しいて理由を探れば、重ね代の深さがよくわかる、程度の事でしょうか・・・まっ、ちゃんと防湿性があればピンクだろうとブルーだろうと、どうでもよいことなんですが。(^^;

ちなみに断熱材は、いつも使っているPET樹脂断熱材<パーフェクトバリア>。
<高台の家>・<急傾斜地の家>ともロールタイプの10kg/m³(熱伝導率:0.045W/mK)品を天井裏に150mm(100mm+50mm)、外壁に100mmで施工しています。

さらにちなみに(しつこい?)・・・ここからは業界の方向けお得(?)情報。
業界の方なら一見して、両現場とも天井の防湿ポリエチレンフィルムの位置が普通ではない事がわかると思います・・・通常、野縁下で張るフィルムを野縁と野縁受の間で張っている。
で、こんな事をすれば現場での大工手間がかなり増える事もわかると思います。
ではなぜ、こんな事をするのか?
それは塗装(薄塗り漆喰など左官材でも同じ)下地となる石膏ボードのジョイント割れを防ぐため、壁の胴縁は無論の事、野縁にも糊付けしてボードをビス止めするためのちょっとした工夫なのです。
野縁とボードの間でフィルムを張ってしまう、と糊付けできませんからね。
この施工方法を取れば(もちろん下地材の乾燥度合にもよりますが)ボードのジョイント割れはほぼ防げます。
天井下地の大工手間は通常の1.5倍程度にはなるかと思いますが、後々発生するやもしれないクレーム対処費に比べれば微々たる金額。ジョイント割れでお悩みの方は、一度お試しあれ。

高台の家 見下ろし
4点ともGR DIGITAL 適宜レタッチ・トリミング

写真は<高台の家>の1階で、そんな天井納まりの為に野縁受のさらに受を施工しようとしている大工さん・・・でええぃ、こんなややこしい事を!と槍を振り回しているわけではありません。(^^)  
Posted by masai at 18:41 PermalinkComments(2)TrackBack(0)
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