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木曜日の
大阪北進に続いて、土曜日は兵庫を西進。(^^)
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四世代の家>の住まい手Aさんご一家、施工の越智工務店からは社長の山野氏と監督の金平氏、そして私と井上という総勢7人+子供1人で、宍粟市一宮にある丸正木材さんへと向かったのでした。
そう、もう
毎度おなじみになった観のあるこの工事で使う構造材の検品を兼ねた製材見学。施工工務店は変われども、うちの仕事である限り構造材は信頼できる製材&プレカットで、という事で今回も兵庫県を横断しての宍粟行きとなりました。
500年生くらいの杉が林立する播磨国の一の宮・伊和神社境内 以下11点ともGR DIGITAL 適宜レタッチ・トリミング
中国道・加西SAで待ち合わせをして、まずは伊和神社へ。
森林見学代わりに杉の巨木を見て、一応、木の素晴らしさ、日本の森の大切さを感じてもらえれば、という意図です。
左: せっかくの機会なのでみんなでお参り 工事の無事を祈願
右: ここは揖保川流域 揖保川といえばやっぱり「揖保乃糸」(^^)・・・境内にもちゃんと寄進されていました
境内散策の後は道向かいにある道の駅<播磨いちのみや>で昼食タイム。
その後、そこからは車で3分くらいと、すぐ近くの製材所へ。
山は伐採期に入り、製材作業も忙しそう 写真徒然関連写真: 製材所
写真は皮むき作業前の杉の間伐材・・・これくらいの太さの丸太で3寸5分角や4寸角の柱材が挽き出せます
今回も構造材は全て人工乾燥材。この日に乾燥機からの釜出しを合わせてくれていて、目の前でのご開帳となりました。
立ち上る蒸気の中から現れた柱材や梁材にAさんご一家もしばし感動。↓(^^)v

ちなみに今までにも何度か書いたと思いますが、初めての方のために・・・。
人工乾燥機から出てきた杉材は程度の差こそあれ、こんな風に一見黒こげ風。
乾燥中に水分(木酢)と共に出たヤニが炭化してこんな色が付くわけですが、モルダーやプレーナー(機械鉋)で材面を削ると木材の色が再び出てきます。
もっとも、そうは言っても天然乾燥による杉材の美しい薄桃色から比べれば、雲泥の差である事は否めませんが、その辺りは求めようとする含水率や空間における見た目の必要度と工期やコストとの兼ね合い。
今回も構造材はほとんど壁の中に隠れてしまうので(大壁仕様)、見た目よりも含水率を考えての人工乾燥です。
柱材は大河内産(神河町)の間伐材、梁材は波賀産(宍粟市)と通称・営林署材(兵庫県産)との話
その後は、丸正木材の番頭さんとプレカットをお願いするニチリンプレカットの杉山さんらの案内で製材所内を見学。
職人気質で朴訥そうな番頭さんなのですが、もう3回目ともなると今回はなかなかに手馴れた観のあるご案内(^^)・・・忙しい中、ありがとうございました。
丸太から角材を挽く全自動帯鋸・・・丸太径からもっとも経済的で無駄のない寸法の角材を自動で判断して挽くメカ
製材所での見学を終えた後は、越智工務店さんが今回のプレカット工場となるニチリンプレカットさんに依頼するのははじめてという事もあって、その工場も見学へ。
車3台連なって、姫路市香寺の
ニチリンプレカット本社&工場へと向かいました。
常務さんから簡単な説明を受けた後、早速、工場見学へ。
ニチリンプレカットとの仕事は4回目で、工場見学ももう3回目になりますが、常務さんからの説明&案内を受けたははじめて・・・家が大きく、材の立米数もそれなりなためなのか(?)、ずいぶんはりきって説明してくれました。(^^)
まあ、単にたまたま手が空いていたからかもしれませんが・・・(^^;
工場の材置場で三々五々説明を受ける一同・・・ちょっと三々五々すぎますが(^^;
手前に並べられているのはうちの工事とは関係のない他所の現場の米松材ですが、番付けと言って、材の年輪密度や色目、芯持材の場合はその芯ズレなども見ながら、どこにどの材をどちら向きに使うのかを決めてゆく作業をしている途中。
右端に写っている山野氏にも言われましたが、普通、木材の検品というとこの段階でチェックを行い、芯持材の芯があまりにずれているものや力が掛かる箇所に使う材なのに年輪がスカスカの材(=ヤング率・強度が低い)が選ばれていたりするのを撥ねて交換する作業を言います。
でも、私の場合、工事現場からだけでは見えてこない建築の背後にある森や木材加工の匠を観て楽しんでもらうためにも、興味を持たれる住まい手に「ご一緒しませんか」とお誘いして都合のつく限り製材所を訪ね、製材時点で無言のプレッシャーを与える事で良材を手に入れるという(^^)、人と人の繋がりを重視した今回のような検品ツアーを行っています。
で、先の釜出しで姿を現した材は、どこにどれを使っても問題ない良材・・・やはり顔が見えると人間、まやかしはできないものです。(^^)
・・・まあ、これほど頻繁に住まい手を製材所まで連れて行くような設計事務所は全国広しと言えど、うちくらいなもんでしょう、たぶん。(^^)
・・・建築現場から山が見えることの大切さについてはこちらをどうぞ: パッシブデザイン<木の家・山のこと>
そんな考えなので、本来の検品や番付けはプレカット工場の担当者や工務店の現場監督にお任せしています。
最悪、問題が発生した場合には、工事は中断するものの建方時点でも交換できるわけですから、まずは信頼して、です。
工場にて 左: 手作業による丸太柱の加工(墨付け) 右: 手加工で仕上がった兜蟻掛けの仕口
ただ、そんな信頼を寄せられるのもニチリンプレカットさんのようなプレカット工場だから、というところはあります。
プレカット工場も様々で、一見凄そうなハイテク加工機が並ぶ代わりに工場内の人影はまばら、普段はハウスメーカーや建売住宅向けの癖のない集成材を扱い、たまに無垢材主体の加工をやるとなっても、木の素性を考えもしない加工しかできず、機械に入力できなければたとえ簡単な仕口加工でもお手上げ状態!になるような工場が多くなってきています。
でも、ニチリンプレカットさんはむしろその逆で、どんなに素性が良さそうな材でもどこかしらに癖を残す無垢材に対処するため、機械では到底真似できない人の目と手が持つ力を大切にしたローテク系工場。
自動機械による加工だけでなく、上2枚の写真のように機械では対応できない仕口加工も工場内で働く大工職による手刻みで柔軟に対応しましょう、というのがポリシー。
そんな工場ですから山野氏曰く「こんな大勢人がいるプレカット工場ははじめて見た」だそう。(^^)
もちろんそんなに人が働いている分、他のプレカット工場と比べると割高ですが、総工事費から見れば微々たるもの。工事内容によってはむしろ安くつく可能性も十分にある一つの業態です。
こちらは仕口を自動で加工する多軸モルダー その加工実演とそれを写真に納めるAさん
ちょっと業界言葉が多い文になりますが・・・今回の加工図面でも、化粧柱の中間に縁桁を引っ張る梁が刺さる所があるのですが、普通のプレカット工場なら短ホゾ差しに引きボルト加工くらいしかできず、室内の見掛りにボカッとボルト頭が出てきて化粧柱が台無しになる所を、こちらからはまだ何も指示していないのに「耐力上問題ないと思ったので、包み長ホゾ差し・込み栓打ちにしておきました」と。
まあ、大工手刻みによる丁場とハイテクプレカットの中間のような工場・・・こんなプレカット工場は他にはないと思うのです。
手作業は手作業なりのミスもあり、そんな事で全てを信用してしまうのは事故の素ですが、少なくとも信頼は寄せられる、だからこそのプレカット工場なのでした。
工場の片隅に積まれていた材の切れ端 杉・桧・米松・唐松・集成材・・・なんだか面白いので撮ってみました
と、えらい長い記事になりましたが、それだけ充実していた今回の「兵庫西進」。
Aさんご一家の満足はもとより、長い職歴の中でも今回のような経験ははじめてという現場監督君の始終嬉し楽しそうな表情が印象的なツアーでした・・・そこが大切!・・・必ずや、いい木の家が建つことでしょう。(^^)v
お疲れ様でした。m(_ _)m
10月20日追記
別視点の写真は工務店さんの建築日記にも・・・ちなみに先方もカメラはGR君です。
越智工務店 建築日記: http://www.ochi-k.co.jp/kentikunikki01.htm