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・・・前回からの続き
参加者の方々に三々五々、コーヒーとこの場の雰囲気を一頻り味わっていただいた後は、土間周辺に集まっていただいて、まずは恵山オーナーのご挨拶から。
2階から ハンドマイクを握るのがオーナー(女将)、横でスピーカーを持つのが才本さん
オーナーからは、当初、解体して建替えるつもりで土地建物を購入したけれど、才本さんと接しているうちに保存修理に気持ちが傾いていった話などをいただき、続いて才本さんからの建築概要説明の後、左官職・南さんよりこの空間に施された様々な左官仕上げについてのお話を伺いました。
色漆喰磨き仕上げのへっつい(竈)を前に話する南さん(帽子の後姿)
9月28日の記事<
バスツアー下見>でもクローズアップしたこのへっついは、伊勢市・赤福本店の名物、赤い竈を模したもの。で、南さんは施工するに当たり、赤福本店を手掛けた世界的にも有名な淡路の左官職・久住章さんに工法や注意点などを問い合わせたそうですが、「今日やったら空いてるから、行こか」との返事で、直接指導に来てくれたそう・・・相変わらず八面六臂・神出鬼没の久住さんです。(^^)
左: トイレ壁の色漆喰磨き仕上・・・左官の労苦を聞いた参加者からはもったいなくて使えないという話も(^^;
右: 大津壁磨き仕上 漆喰ではなく土を磨いて光沢を出した仕上
へっつい以外にも座敷壁の色土中塗仕上(聚楽調)や土間壁の中塗仕上、外壁の灰中塗仕上など左官仕上げのオンパレードですが、中でもなかなか見られない仕上げが土間の壁の一部に施された大津壁磨き仕上。
土を光沢が出るまで鏝や手のひらで磨き上げた仕上げで、左官仕事の中でも最上等となる仕上げ。
子供の頃、泥団子を作ってピカピカに磨いた経験がある方も少なくないと思いますが、それを壁全面に平滑に施したものといえばその作業の大変さも伝わるのでは、と思います。
それだけに普通に見積を頼むと大理石張以上の費用が掛かり、今では1m² 当り10〜15万円にはなるんだとか。まあ、よほどの普請道楽でない限り使えない仕上げなわけですが、そうなってくると施工の機会もなくなり、若手への技術継承も難しくなってくる・・・というわけで、ここでは若手の技術研修という名目で、大津壁磨きとしての施工費は取らず、安く仕上げたんだそうです。
トイレの色漆喰磨きもまた同じ。
こういった左官仕上げって、写真だと塗装や吹付け仕上とさして変わらなく写ってしまうと思いますが、実際にその空間に立って、触覚や嗅覚、時には聴覚まで総動員して感じる雰囲気は、他の存在に変えがたいものがある、と改めて感じさせられた、そんな見学内容でした。
壁だけでなくもちろん土間も左官仕上げ ほんとの三和土(たたき)ではありませんが、それ風に仕上げられた土間
そんなこんなの空間とお話を満喫した後は、足をさらに東へと進め、河原町妻入商家群へ。
京街道沿いに伸びる河原町妻入商家群
夕陽の射す中、伊勢とここにしかないと言われる妻入り商家の町並みを歩きながら、前二つの見学地のような「仕事」としての保存修理と並んで、もう一つのまちなみ保存の核、ボランティアによる古民家の修理なども見学して、最後の見学地、才本さんの事務所兼住宅<やくら>へ。
と、当初の予定では、ここで河原町西詰めに一旦引き返しバスで少し離れた<やくら>に向かう予定だったのですが、ノリで歩いて向かう事に・・・歩いて行くのはよいけれど、待たせてあるバスはどうすんねん!という事でバスガイド役としては一人段取りに走る。(^^)
バスを回送し、<やくら>にほど近い場所にあるバス会社へと向かい、パンチパーマで強面の外見とは異なり腰の低い面白キャラクターの運転手さんと共に願い出て、そこの駐車場にバスを入れ・・・そんな段取りを終え、私が<やくら>についた頃には既に建築概要の説明も終わろうかというところだったのでした。(^^;
左: <やくら>中庭から 正面の白い建物は元郵便局だそうで、現在は才本さんの事務所棟 左手が住居棟
右: 古民家を修復した住居棟 手前はタイル張のへっつい なにやら見上げているのは同業の友人
住居棟2階の座敷では造り手側としての話だけでなく、住み手側に立った才本さん自身の話も交えての気楽な座談会、といった場も設けました。
古民家に暮らす事の不便さや、だからこその楽しさ。生活観や産業形態が年々変化して行く中、まちなみを維持し後世に受け継いで行く事の大変さなど、話はつきませんでしたが・・・

・・・終了予定の4時30分となってタイムアウト。本来は1時間くらいの場を設ける予定だったのですが、前の記事に書いた40分の遅れは結局取り戻せずで、参加者の方々には申し訳なくもちょっとも物足りない場となってしまったかもしれません。案内人&タイムキーパー役としてはその点がちょっと心残りではありました。
という事で、全ての日程を終了。
再びバスに乗車して、JR篠山口駅前を経て神戸へ。事故もなく迷子もなく(?)無事ツアーを終えることができました。
ご参加いただいた皆さん、改めましてありがとうございました。m(_ _)m
身内の話をすると、今回も参加者が定員割れするようなら、もう今回で最後という話も出ていたのですが、結果は定員超えの大盛況。
これが今までとは大幅に模様替えしたツアーの内容によるものなのか、たまたまなのか、それは皆さんに書いていただいたアンケートなども分析しながら、ですが、いずれにしても、私自身としてはどういう形にせよ、また来年もやるか、という気持ちにはなっているところです。
ですので今回ご都合により参加いただけなかった皆さんも、来秋はぜひご参加を!と言っておきます・・・お楽しみに!
合わせて3回に渡る長文のご拝読、ありがとうございました。m(_ _)m
西日に照らされるイロハモミジ 篠山市南新町にて 以上10点ともGR DIGITAL 適宜レタッチ・トリミング
余談
このツアーでGR君を携えていたのは、ちゃんと確認できただけでも私を含めて8人、プラスGX100とGX200が1人ずつ。
建築業界人が多かったという事を勘案しても、改めてその人気ぶりに「オッオー」と感じた一軍団だったのでした。(^^)v