昨日の記事の続きで今日も土曜日の出来事からの話ですが、吹奏楽コンクールでうちの娘たちの演奏を楽しんだ後は、会場を途中で抜け出し芦屋へ・・・<芦屋の小さな家>の設計本契約でした。
最初のエスキースプラン提示が1月25日でしたから、ちょうど半年。
急がずじっくり考えて行きたいという住まい手のご意向から、近年では久々に長い基本設計期間となりましたが、これにてプランはほぼ確定。これからは工事用の図面を描いてゆく実施設計へ向けてGO!といったところです。
なので事務所としては何がしかの手を借りたいところですが・・・どうも我が家の猫は当てにならないようです。(^^)

久々に登場、我が家の猫・・・ミーです 最近のお気に入り、ソファの上の座布団にて レタッチでソフトフィルター処理
閑話休題。
この<芦屋の小さな家>は鉄骨造外断熱工法で計画していますが、約6.3mの敷地間口に対して外壁後退70cm以上という制限も加わる事から、少しでも広く、というためには外壁の壁厚を薄くしたい=柱をできるだけ細くしたいところ・・・と、今回は久々に建築設計事務所らしい話に入って行きます。(^^)
一般の方々にはちょっと専門的な内容かもしれませんが、しばしお付合い下さい。
安価なH鋼を使い、普通に短辺剛接、長辺ブレース構造で計画すると1階の柱はH-200×200くらいのメンバーが欲しいところかもしれませんが、それではやっぱり大きすぎ・・・小規模住宅にはそぐわない。なので「できるだけ細く」と、いつも構造設計を担ってくれている森林経済工学研究所の玉田氏に検討をお願いしたところ、左図のような案を考えてくれました。
1・2階の標準の柱はH-125×125(3階はH-100×100)・・・木造の4寸角柱とほとんど同じ細さ。これならバッチリ!(^^)v
「ミソ」は、見ておわかりのように、両妻面にビルドH-350×125を建て、横軸方向の地震力や風力をこの柱に負担させる事で、残りの柱を細くしたところ。
名前こそ森林経済工学研究所ですが、元々は鉄鋼の専門家だっただけにこういった事はお手の物・・・H鋼の弱軸・強軸の向きが一般的な短辺剛接の場合とは90度違ったり、H-125×125のウェブ芯にビルドHのフランジを合わせていたりするのも、できるだけ接合用のプレートを省いてコストダウンを、といった「ならでは」の技です。(^^)v
1・2階の床面積は各12坪弱・・・<芦屋の家>では誤解を生みかねないので、「小さな」をつけて欲しいと仰っていた住まい手のご要望も、これを見ると皆さん納得?(^^) でも空間は伸びやかです
結果、外壁の標準仕様と厚みはこんな風に・・・。

鉄骨造で問題となるヒートブリッジを防ぐため、断熱材で構造体全体をすっぽりと覆い、かつ下地には熱伝導率の低い木材を使った完全外断熱仕様の外壁
総厚252.5mmと聞くと分厚く感じるかもしれませんが、外壁通気層を設けたワラスサ入りモルタル仕上げの場合、木造(4寸角柱・内断熱)でも197.5mmになりますから、55mm分厚いだけ。
この仕様の鉄骨造外壁にしては、画期的とまでは行かなくとも、なかなかのもんやん!と歓喜しながら(?)実施設計へと向かって行ける、そんなプロジェクトなのでした。
