2008年11月11日

建方

0775
建方
棟木(登り棟)が入る一歩手前、雲間から覗いた太陽を背景に  以下8点ともGR DIGITAL 適宜レタッチ・トリミング
ほんの少し違ったアングルは写真徒然で 写真徒然関連写真: 建方


という事で、今日は<四世代の家>の建方(棟上げ)。
どんよりとした曇り空が続く一日でしたが、さすがは大安吉日(?)。数日前の降水確率40%を跳ね除け、夕方近くには時折陽も射すような天気となりました。
一部の方には有名なように(?)私はもっぱらの「雨男」。それを跳ね除ける「晴れ男」パワーが住まい手か、あるいは施工の越智工務店、はたまた棟梁にあったという事なのでしょう。(^^)v

横架材と住まい手

上左は2階床梁の上に並べられた桁や母屋。10月19日の記事<兵庫西進>で、一見して黒焦げのように見えた乾燥釜出しの材も表面を削ればこんな風になります、という証拠写真。(^^)
上右は先日、美味しいおでんをご馳走になった住まい手のお祖母さん・・・昼過ぎに現場を覗いていただけました。

番付左写真の柱に落書きされているかのような文字は番付・・・とはいっても大相撲の番付とは違います。(^^;
この柱の建て場所を示す2次元グリットの記号で、平面上の右端(東)から左へ910mmピッチで<い・ろ・は・・・>、上端(北)から下へ<一・二・三・・・>。
この柱は南西角=最も端っこに建つ柱ですが、<いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つね>・・・事程左様に大きな家です。

朝から詰めていたスタッフから「2階の管柱建てに入りました」との連絡を受けたのは11時半。
おおっ、この分だと15時くらいには棟が上がってしまうかも、と駆けつけたのが13時過ぎ。
でも、2階はレベル差のある胴差や梁・桁がいたるところで摩訶複雑な構造で、実際に15時になった時点ではまだ下写真ような進行具合。
逆に、はたして今日中に棟まで上がるのだろうかと心配になったのですが・・・

かけや
ミニ掛矢(掛矢とは本来はでっかい木槌の事で金槌=玄能とはまた異なる)を振るいホゾをかちこむ大工職

・・・ところがどっこい、辺りも暗くなり出した16時35分。
大工職総勢6名の努力により、なんとかんとか棟が上がった<四世代の家>だったのでした。↓パチッパチッパチッ!

棟上げ
登り棟の最後のパーツを追掛け大栓継ぎに押し込む大工職
道路側外観
上棟後の構造外観を道路向いから  ぜひ模型写真と比べて見て下さい: 1/100模型

私自身はただ見ているだけ、程度のものでしたが、それでも棟が上がると、やっぱりなんだか爽やかな達成感が(^^)v・・・棟梁はじめ大工職の方々、お疲れ様でした!、だったのでした。

夕焼け
そんな達成感にひたりながら帰る道すがらに見上げた空は、無事の上棟を祝うかのような夕焼け空だったのでした

でも、喜びばかりではなく、実際には反省点も・・・。
一枚目の写真で、シルエットとなった若い大工が左手に持つのは掛矢を振るう際に使う充て木で、松や桧に比べると柔らかい杉の梁や桁を使った普請では、掛矢で叩いて材をかちこむ際に充て木をかまして傷つけないように工夫するのが、まあ、常識。
ところが昼過ぎに私が現場に着くまでは、そんな基本的な事が住まい手には申し訳なくも出来ていない現場でした。
その写真のリンク、写真徒然に掲載した写真にはそんな惨状が明確に。
左下に伸びる横架材の角の欠けがそれ。加えて、横っ腹に斜めに走る傷は、おそらくクレーンでの荷揚げ時に足場で擦ったものなのでしょう・・・。
もちろんこれらは純粋な構造材で、仕上がれば天井裏に隠れてしまう材ですし、傷が付いたとしても構造上はなんの問題もありませんが、植林から製材までの数十年から百数十年に及ぶ時の積み重ねはもちろんの事、製材や乾燥、プレカットなど様々な過程を経てこの現場に縁あって到着した木材という点だけを顧みても、その重みを考えれば、そんなぞんざいな扱いはできないはず。
木の匠であるはずの大工や工務店は恥を知るべき・・・なんのために製材所まで連れて行ってんねん、そんなこともわからんのか!と、まあ、そんな思いの現場だったのでした。
というわけで、遅まきながら、私がどやしてからは充て木をかまして掛矢を打つようになったわけですが・・・「数奇屋建築もやってます」という工務店の言葉を過信し、事前に注意しなかった点が私自身の大きな反省であり、本来は朝から詰めていたスタッフが指示しなければならない事であった点も大いに反省。
今後はそのリベンジも含めて「バシッと引き締めて」と誓った、本日の建方だったのでした。

Posted by masai at 23:38Comments(6)TrackBack(0)住宅設計 |  四世代の家

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/cpiblog00793/50855886
この記事へのコメント
こんばんわ〜
1枚目はGRカレンダーを思い出しましたっ
建築現場って緊張感もありつつもう2度と見れない貴重な記録写真ですけど...
普通の人には撮れないから完成までどんどん見せてほし〜です
最後の夕焼けもGR DIGITALらしくてステキですっ
Posted by yo at 2008年11月12日 00:07
おはようございます。
若干、その「牧落の家」の構図を意識して撮りましたが、今回はちょっと背景が邪魔でした・・・(^^;

夕焼けは久々に見た幻想的な色合いの空・・・明日は晴れるかなと思っていたら、今朝は雲一つない空が広がるここ池田川西界隈です。
Posted by masai at 2008年11月12日 08:53
越智工務店代表取締役山野拓也です。
このたびの一件につきお詫びしたくコメントさせていただきます。
先代の創業以来、木造を主力として建築に関ってきたものとして
ご指摘どおり心から恥ずかしく思います。
ともかく今回のことを猛省し今後必ず信頼を取り戻すべく
現場一同、改めて気持ちを引き締め取り組ませていただきます。
四世代のご家族の皆様、本当に申し訳ございませんでした。
心よりお詫び申し上げます。

Posted by 越智工務店社長 at 2008年11月12日 20:17
 妻に教えてもらって初めてコメントします。四世代の住人です。トップの写真を見て記憶がよみがえってきます。100件以上の設計事務所のホームページを見て心に残った「写真」、設計を依頼しようと思ったきっかけのひとつです。
 写真の人に与える影響ってすごいですね。連絡はいただいていましたが今日の一件もいつも撮影されている写真を見ていると携わられる1件1件の建物の対する「愛着」・・・「こだわり」・・・「思い入れ」?適切な表現が思いつきませんが、それが写真の中に集約されているような気がしました。日ごろの打ち合わせる知識の広さにも驚かされますが、それ以上に建物に対する情熱の深さを感じ、本当にお願いしてよかったと思います。
 相談をし始めて着工・・いろいろなことがありましたが、やっとそれが形になり、非常に感動しています。30歳を超えてからとても涙腺が弱くなるのを感じていますが、ホテル暮らしが多く月に一度はホテルで涙することがありますが今日もそんな日のようです。今日は広島の山中、三次というところにいますが、おいしい地ビールを飲みながら涙しています。
 今回の一件も工務店の社長様もやるせない気分になっているように感じます。短いながらも何度か顔を合わせていると決して仕事として建築をしているわけでなく、愛情を持って建物に接し、楽しんで仕事をしているように感じますが、末端の大工さんまでそれが通じきれないジレンマを感じられていると思います。同じことを感じたことも個人的にはあります。いろいろありますが、建物に関わっている一人ひとりを見ているといい家ができるという確信がします。
 とても長くなり、このままでは本を1冊書いてしまいそうな勢いなので今日はこの辺にしておきます。週末の上棟式を楽しみにしています。
 
Posted by 屋根の上の住人 at 2008年11月12日 21:54
夕方に主人から電話があり、おおまかのことは聞いたのですが、正井さんのブログを見て詳細がわかりました。そんなことがあったんですね。

私は建築業のことはよくわからないですが、『作品』をつくる人の気持ちはわかります。(ものづくりが好きなので)
やはり自分が大切に作ったものをぞんざいに扱われると悲しくなります。
今回使われた構造材たちも製材所でカットされて、ちゃんと乾燥にかけられ、プレカット工場に運ばれ、人の手や機械によって加工されて、できるだけ傷をつけないように現場に運ばれてきた作品のひとつだと思います。それを最後の最後でぞんざいに扱われたら、それまで丁寧に加工し扱ってきてくださった工場の皆さんも残念だと思います。
とはいえ今回のことは家にとって致命的なミスではないと思いますし、山野社長の人柄も真面目で良い方だと感じますし仕事にも誇りを持って取り組んでおられると思いますので、これが本来の越智工務店の体質ではないとは思ってます。ですから今回のことが糧になってこれからの作業がより、いいものになることを信じてます。
また、正井さんを選んで本当に良かったと思ってます。自分の子供のように家を想ってくださってる・・・そんな気がします。
これからもどうぞヨロシクお願いします。

話はかわり・・・正井さんは「雨男」だったんですね!なーんか雨の日が多かったのは、正井さんのせいだったんですね(笑)。私も「雨女」(梅雨生まれだし)なんですが私のせいじゃなかったんですね(責任転嫁(笑))
Posted by 四世代の家の嫁 at 2008年11月13日 00:11
>Aさんご夫妻様
お忙しい中、長文のコメントお寄せいただき誠にありがとうございます。
その広いお心に、こちらも涙する思いです。( ┰_┰)

写真はウソをつきません。
ウェブトップのランダム表示画像(画像保管庫:写真徒然)にアップするのにベストと思う逆光の良い写真が撮れて、載せようとした時、ご主人の私の写真への思いは以前からお聞きしていましたし、桁の傷が改めてすごく気になりだし、掲載をやめようかとも思いました。
ウェブトップや写真徒然への掲載を見送り、この記事は夕焼けの写真までに留めておいて、申し訳なくも雑な仕事や監理不行き届きで生じた傷などについてはこの記事では触れずに上棟式当日にお詫びするような形にもできたと思うのですが、やはりいい写真には変わりなくアップする事にしました。
で、アップした以上、傷などの説明はしないといけないというわけで、こんな形でのご報告となり、その後、工務店側の大騒動を経て、長文のコメントでお手を煩わせるような形ともなって、重ねてのご迷惑、誠に申し訳なく思っております。

「覆水盆に返らず」ですが、ある意味「雨降って地固まる」。
山野さんのコメントにあるように、これを反面教師として工務店側も末端までビシッとしてくれるはずです。
ほんとに住宅建築の一つ一つは、私たち造り手側にとって子供のようなもの・・・うちの監理も含め、今後はより一層の努力をしてまいる決意です。
重ねて、コメント文大賞(?)をお贈りしたいくらいのコメントをお寄せいただき、誠にありがとうございました。m(_ _)m

「雨男」・・・これからは工事現場の人数も増えるので「晴れ男」が多く居れば私の効力も薄まると思います。(^^)
もっとも「雨男」が集まる可能性もありはしますが・・・(^^;
Posted by masai at 2008年11月13日 11:15