久々におもしろいSF小説に出合ったので、唐突ですがちょっとご紹介。
「深海のYrr」(原題:DER SCHWARM 直訳すれば「群れ」か)・・・その名の通り海洋SFモノです。

表紙のスキャン画像 フランク・シェッツィング著 早川書房 ハヤカワ文庫NV 各巻とも840円
母国ドイツでは「ダ・ヴィンチ・コード」を抜いて200万部突破、という帯に誘われてなにげに買ったのですが、いやー、なかなかに面白かったです。
北海のメタンハイドレート層で発見された無数の特異なゴカイ。
カナダ・バンクーバー島沖でタグボートやホエールウォッチングの船がクジラやオルカに襲われたのをはじめ、世界各地では海難事故が続発しはじめる。
猛毒のクラゲに人々が命を落とす事故も多発。フランスではロブスターに潜んでいた猛毒の藻類が猛威をふるいはじめる・・・はたして母なる海に何が起きたのか、てな具合で進むお話で、サスペンスとしても楽しめる物語です。
SFとはいっても未来の話ではなく時代設定は「今」ですし、ハードSF好きからは若干物足りないと言えなくもない科学考証も、普通(?)の人からすれば逆にとっつきやすく読みやすいSFなのでは、と思います。カナダ・バンクーバー島沖でタグボートやホエールウォッチングの船がクジラやオルカに襲われたのをはじめ、世界各地では海難事故が続発しはじめる。
猛毒のクラゲに人々が命を落とす事故も多発。フランスではロブスターに潜んでいた猛毒の藻類が猛威をふるいはじめる・・・はたして母なる海に何が起きたのか、てな具合で進むお話で、サスペンスとしても楽しめる物語です。
とはいっても、海洋汚染や様々な環境問題への啓発書ともなっていてドイツ地球科学者協会賞を受賞したほどには立派なSF小説。
登場人物の生い立ちや人間関係の描写は、かなりしつこいというか、ちょっと中だるみする部分もありますが、ラスト近くまで読み進むとそれはそれで欠かせないものだったか、とは思いました。
あと、映画(特にハリウッドもの)の話やそれを借りての描写が随所に出てくるのも面白いところ。
曰く、俳優マクシミリアン・シェルに似た主人公とか、映画<コンタクト>でジョディ・フォスターが演じた主人公のモデルとなった学者とか。はたまた「現実にはブルース・ウィリスはいない」(アルマゲドン)とか、「どんなに危険な存在であっても、科学者たちは殲滅する代わりに守ろうとするのではと心配」(エイリアン)とか。
情景や状況の描写も時として「あの映画かな」というようなところも随所にあって、もちろん文才に寄る所は大きいにしろ、具体的な映像がすごく想像しやすい小説だなぁ、と思いました。
そして「Yrr」の描写は、まさに映画向きの世界・・・という事で、ハリウッドでの映画化も決まり現在製作進行中だとか。
オフィシャルサイト: www.derschwarm.com
映画の出来がどうなるかはわかりませんが(製作予算次第かな)、ともかく小説の方は日頃「SFなんて」という方にもお奨めの一冊です。

淡路市 志筑にて まあ、なんとなく海つながりという事で(^^) GR DIGITAL
そうそう、アメリカの現政権を思いっきりコケにしているところも、なかなかに素敵な小説なのでありました。(^^)v
