昨日は午後から高槻市へ。
8月はじめにお会いし、基本設計の依頼を頂いていた住まい手の要望をお聞きするのと敷地調査を兼ねて、いまのお住まいを訪ねてきました。
今回のご依頼は、現住宅の建替え。
今後じっくりと基本設計を練って行く予定ですが、やはり、これからの展開が自分自身でも楽しみな住宅です。
楽しい打合せを終えての帰り道、今回の敷地近くに在る<真上町の家>を訪ねてみました。この<真上町の家>は、私がいまの事務所を設立する前、ケイ・ジェイ・ワークスという工務店に勤めていた時に設計を手掛けさせて頂いた住宅。
1997年2月の竣工ですから、もう8年半前の仕事になります。
この住まいが近所に在った事が、今回の設計依頼のキッカケの一つともなっています。
久しぶりに訪れた<真上町の家>はそこはかとなく外壁の板が侘びていて、竣工の記念植樹として植えられたトチノキ(写真右隅の樹)も大きく育ち、竣工直後とはまた違った外観を街並みに提供していました。
アポイントも取らずに訪ねたので、あいにくお留守。住まい手にお会いできなかったのが残念でしたが・・・。
左は竣工直後の写真。上の写真と比べると外壁板張り部分の色の違いがよくわかりますが、これは別に塗装し直したというわけでもなく、経年変化による板材自体の色の変化です。
外壁の板は国産杉材ではなくアメリカ合衆国生まれの米杉。
米杉は杉と名前はついていますが、米国名:Western Red Cedarというヒノキ科クロベ(ネズコ)属の樹。
天然の防腐成分ヒノキチオールを豊富に含み、素地で外壁に使っても極めて腐りにくい木材です。
反面、天然の防腐成分とはいえヒノキチオールは弱毒でもあるので、法律によって規制されているわけではありませんが、内装材には使用しない方がよい木材です。
ちまたのなにも知識がない建築設計事務所や工務店は、木目が綺麗なので内装材に使ったりしていますが・・・あまりお奨めできない使い方です。
この住まいは国産材を使った住宅を手掛けはじめた最初期の住宅でもあり、外壁板材以外の木部には下地材も含めて全て丹波杉(土台のみ桧)を使っています。
第1期<ひょうご・ネットワーク「木の道」>※1による兵庫県産材を使った山直木材の住宅です。
ただ、この頃は雨掛りとなる外壁板にまで国産杉材を使う自信がなく、当時、米杉材が安価だったこともあって外壁の板だけは外国産材を使ってしまった、という経緯があります。
現在では、杉でも赤身板を使えば耐久性は実用的に十分なレベルにある事を知って、自信を持って使えるようになりましたが、そこに至る過渡期的住宅でもあり、私にとっては思い出深い住宅です。
※ 現在、私が加盟している<ひょうご・ネットワーク「木の道」>は第2期「木の道」。
第1期とは一部のメンバーを除いて構成メンバーも大きく異なり、兵庫県産材による木造住宅の普及が目的であった第1期から、住宅だけではなくよりグローバルな分野での兵庫の山の活性化を目指す活動を行っている第2期と、活動内容も多くの点で異なります。
