2005年07月25日

家具工場

0107
さて金曜日、宍粟市まで何しに行っていたのかというと、<ひょうご・ネットワーク「木の道」>メンバーである東亜林業さんの本社工場の訪問。
東亜林業さんは以前<手塚治虫記念館>の記事でチラッと書いた自社のウェブサイトを作って欲しいという依頼主で、打合せについでに工場見学、というのが目的でした。
東亜林業さんは現在、とある広告代理店が製作したオールフラッシュ動画の見た目には美しいウェブサイトを公開されていますが、オールフラッシュだけに内容の更新を図ろうとしても敷居が高すぎて自分たちの手では更新できない状態という、他でもたまに耳にするジレンマに陥っておられます。
そこで社内の人間でも簡単に更新可能なテキスト主体のウェブサイトへ全面リニューアルしようということになり、なぜか私に白羽の矢が立った次第。
本業でもないのに・・・そう、うちはあくまでも建築設計事務所です!
それは百も承知で、ぜひお願いしたいという事で、お願いされると断れない性格の私。まあ、これもご縁という事でお引き受けする事にしました。(^^)
ちなみにいまの東亜林業さんのウェブサイトはこちら。
http://www.toa-ringyo.co.jp/
たぶんブロードバンド接続でないと見るのは大変かも。(^^;

東亜林業1

東亜林業さんは名前の通り自社の山林も持っておられますが、現在の事業はダイニングセットや椅子・ソファなど、量産家具の製造販売が主力。
「トーアの食堂セット」と言えばご存知の方もおられるのではないでしょうか。
量産家具のほとんどがそうであるように、東亜林業さんも以前は広葉樹や外国産材を使った家具がほとんどでしたが、10年ほど前から、地元の薪炭商としてスタートした創業当時の視点に立ち返り、地元産材の杉・桧を使った椅子・テーブルの製造販売に力点をおかれるようになりました。
上写真はそんな原板材のストック(左)と地元産杉で造られた椅子(右)。椅子は仕上塗装工程に回される前のもので、奥には最終組立前の色々なデザインの背板が並んでいるのも見受けられます。

ただ、杉材はテーブル材としてはまだしも、細脚の椅子に使うとなると柔らかすぎて必要な強度が確保できません。
そこで考え出されたのが東亜林業独自の圧縮技術で、杉板を高温高圧で圧縮することにより単位面積あたりの強度を上げて使う方法。
最大で80%の圧縮、原板の厚みの20%にまで圧縮できるそうで、そこまで圧縮された杉は比重が1を超え、水に沈むアイアンウッドのような材になります。
まあ、さすがにそこまで圧縮するとほとんど杉とはいえないような代物になってしまうので、家具材には部位によって必要とされる強度に応じて、様々な圧縮率の杉材を使っているそうです。
また近年ではその技術を転用し、圧縮材をフローリングや内装材などの建材として製造販売される事にも力を注いでおられます。
私個人の見解としては、住宅で杉を使う場合、その柔らかさにこそ良さがあると思っているので、床材としての使用はあまりお勧めはできませんが、いままで杉だと柔らかすぎて使えなかった体育館の床をはじめ、様々な公共建築など人の出入りが激しく酷使される用途へも杉材活用の道が広がるわけで、いま注目すべき建材という印象です。

それにしても驚いたのは、拝見した工場のデカさ。
私の場合、住宅設計に当たってはキッチンや造付け家具の設計も行い、その製造過程の監理もすることが大半なので、いくつかの家具工場とお付き合いをしていますが、いずれもが受注生産専門で工場というより工房という規模のもの。
量産家具の工場を見学するのははじめてで、いやスゴイの一言。
広さだけでなく複雑な形状の脚や座板を量産するための機械類の数や種類も半端ではなく、しかもそのほとんどが独自開発、唯一無二の加工機との事。
ほんとは写真で紹介したいのですが、企業秘密も多々あり公開不可だそうです。(^^;
でも、ほんと、驚きの加工機がいっぱいでした。

東亜林業2

上写真左はそんな機械加工ならではの高い精度の加工技術が窺い知れる半円形のラウンジベンチ。
1/10mm単位で寸法を合わせないと綺麗な半円形にはならないわけで、凄いものです。
さらに材料は狂いの出やすいナラの無垢材。
なので予め加工後の材の反りや狂いを見極める人間の目も重要になってくるので、職人さんたちの技術水準の高さもまた窺い知れるベンチです。

上写真右は地元の桧を使った学習机や椅子。
うちの娘たちの学習机選びは迷った挙句、カリモクの机なんていうものにしてしまいましたが、当時、こんな学習机があることを知っていたら迷わずこれを選んだのに、と一目見て気に入った学習机です。
これだけのものを作っている東亜林業さんを広く皆さんに知ってもらわなければ=ウェブサイト作りは結構重要、とも感じた学習机でもありました。

東亜林業3学習机といえば、学校の学習机に地元産材を!という運動も力を入れておられる事業の一つ。
みなさんのほとんどが、むろん私も、小中高を通して使ってきた、あの味も素っ気もないスチール脚に合板天板という机や椅子。
使い込まれて古くなったそれらの机や椅子のスチール脚を再塗装し、合板部分を圧縮加工した地元の杉材の天板や座板・背板に交換してゆくというプロジェクトで、子供たちに郷土の林業や産業を教えるという意味でも有意義な事業のようです。
時は夏休み。
左写真のように市内各地の学校から集められた机が、まさにリニューアル作業を施されている真っ最中でした。
上は再塗装を施されているスチール部分、下はビニールに包まれて取り付けられる日を待つ杉圧縮材の天板です。

他にも様々な方面に杉・桧が活用されることを目指して、次々と新しいチャレンジをされようとしておられる東亜林業さん。
それら商品や事業の紹介はもちろんの事、全体として知名度アップにつながる親しみやすいサイトを作らなければ、と決意もさせられた工場見学でしたが、いろいろと勉強になった楽しい一日でした。
ウェブサイトは8月末のアップロードを目指して、本業の傍らボチボチと。
公開の暁にはこのブログでもまた紹介しますので、お楽しみに。

Posted by masai at 08:59Comments(0)TrackBack(0)建築諸々  | パッシブデザイン

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