住宅で木造2階建て程度であれば特殊な工法を用いない限り自分たちの手で構造設計まで行いますが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造、またそれらと木造が組み合わさった混構造を用いる場合は構造計画も複雑になってくるため、私たちと同じく一級建築設計事務所ではあっても構造設計専門の構造設計事務所と共同で設計を進める事になります。
いま設計を進めている<苦楽園の家>と記事<植木を預かる>などで紹介した<牧落の家>(まだ仮称)は、かたや鉄骨造、かたや木と鉄筋コンクリートによる混構造を採っていますから、設計はやはり構造事務所との共同作業になります。
で、いま一緒にやっている事務所が池田市にある森林経済工学研究所という威勢のいい名前の構造設計事務所。通称:森林研
なんでこんなに威勢のいい名前かというと、もともとこの会社は阪大フロンティア研究機構による森林経済工学プロジェクトの成果生かす事を目的に設立された大学発のベンチャー企業で、本来というか現在も木造トラスや重ね梁といった木材の中でも間伐材などのいままで建築用材としてはほとんど使い道の無かった国産小径木を、生産エネルギーの少ない無垢材という形のままで活用する新構法を開発し、そのノウハウを売る事を本業としている会社だからです。
詳しくは森林研ウェブサイト:http://www.shinrin-ken.co.jp/
本来はそんなベンチャー企業なわけですが、構造設計事務所と名乗る所は全国に数多あれど、本当に木材の性能特性を理解した上で構造計画を行える事務所は数えるほどしかない事から、この4月からはそういった開発プロジェクト関連のベンチャービジネスのみにこだわらず、いままで蓄積したノウハウを活かし、木材を使った構造設計を幅広く請け負う事で、より一層日本の森林資源を活用してゆく手助けになればと、構造設計事務所としての仕事にも取り組みはじめたというところだそうです。
そして、その仕事始めともいえる計画が私たちの事務所の住宅計画。
<牧落の家>では耐震性を確保しながら開放性の高い空間を実現する木構造への取組みを、<苦楽園の家>は鉄骨造ながら木材をうまく併用する事でヒートブリッジのない構造を、今日も互いの顔つき合せ、あーでもないこーでもないと検討してきたところです。
・・・さぁて、これだけ宣伝しとけば仕事が入ったらバックマージンくらいくれるだろう。(^^)
さてここまでは枕詞。今日紹介したかったのはその森林研池田事務所が入る建物。これは打合せ室というか応接間ですが、丸いちゃぶ台(右下)のある事務所なんてたぶん他にはないでしょう。(^^)
築80年くらいの2階建ての民家をリフォームして使っていて、打合せなどで訪れた際には思わずくつろいでしまいそうになる事務所です。
写真はありませんが、道路に面しては生垣に門というファサードで、とても会社のようには見えない優雅な佇まいです。
奥座敷は広間の茶室。みやび。でも2階はなぜか学生のための下宿になっている。
なので風呂もキッチンもあります。
ねっ、一風変わった不思議な事務所でしょ。(^^)
